
近年、海外渡航のハードルが下がり、観光やビジネス、留学などを目的に海外へ出かける人が増えています。一方で、渡航先や旅行目的、現地で直面するトラブルやネット環境の確保方法については、人それぞれ異なる実態があります。
そこで今回、プラスト株式会社との共同調査として、全国の20~59歳の男女1万人を対象に「海外渡航に関するアンケート調査」を行いました。
本調査では、実際に「海外へ渡航した」と回答した人の割合から、渡航先の国や旅行の目的、海外旅行中に困ったこと、現地でのインターネット環境の確保方法などについて調査を行い、近年の海外渡航の実態を明らかにしています。
- 調査名:海外渡航に関するアンケート調査
- 調査手法:インターネットアンケート
- 調査期間:2025年12月10日~12月20日
- 調査対象:全国の20歳~59歳の男女
- 有効回答数:10,000件
- 質問1:あなたは10年以内に海外へ渡航されましたか?
- 質問2:渡航先の国を教えてください。(複数回答可)
- 質問3:海外渡航の目的を教えてください(複数選択可)
- 質問4:海外渡航中に困ったことは?(複数選択可)
- 質問5:海外渡航時のネット環境はどのように確保しましたか?
※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※複数回答を含む設問では合計が100%を超える場合があります。
海外渡航経験者は約4人に1人、直近10年の渡航率は25.8%

まず、全国の20~59歳の男女1万人を対象に、「過去10年以内に海外へ渡航したことがあるか」についてアンケートを実施しました。その結果、「はい」と回答した人は25.8%にとどまり、約4人に1人が直近10年以内に海外渡航を経験していることが分かりました。
一方で、「いいえ」と回答した人は74.2%と全体の約7割を占めており、海外渡航は身近になりつつあるものの、依然として多くの人にとっては“特別な体験”である実態もうかがえます。
今回の調査は、このアンケートで「過去10年以内に海外へ渡航した」と回答した2,577名を対象に実施しており、実際の渡航経験者の声に基づいたデータとして、海外旅行中の実態や課題をより具体的に捉えた内容となっています。
渡航先は「韓国」「アメリカ」「台湾」が上位、アジア圏が中心

まず、過去10年以内に渡航した国について質問したところ、最も多かったのは「韓国」(30.6%)でした。次いで「アメリカ」(29.0%)、「台湾」(27.0%)、「ハワイ」(26.2%)と続いており、比較的渡航しやすい国・地域が上位を占める結果となっています。
- 韓国:30.6%
- アメリカ:29.0%
- 台湾:27.0%
- ハワイ:26.2%
- シンガポール:15.6%
- タイ:14.3%
- 香港:13.4%
- 中国:12.6%
- オーストラリア:11.7%
- フランス:11.1%
- イタリア:10.3%
- ベトナム:9.6%
- カンダ:8.9%
- ドイツ:8.7%
- スペイン:8.6%
- イギリス:8.5%
- インドネシア(バリ島など):7.9%
- マレーシア:7.8%
- フィリピン:7.4%
- ニュージーランド5.1%
アジア圏や北米といった定番の渡航先が多い一方で、ヨーロッパ、オセアニア、南米、中東などへの渡航経験がある人も一定数存在しており、海外渡航先は一部の地域に限定されているわけではないことが分かります。
今回の調査から、距離やアクセスのしやすさが渡航先選択に影響している一方で、旅行スタイルや関心に応じて多様な地域が選ばれている実態がうかがえる結果となりました。
海外渡航の目的は「観光・レジャー」が8割超

海外渡航の目的について質問したところ、「観光・レジャー」と回答した人が81.7%と最も多く、大半を占める結果となりました。特別な事情による渡航というよりも、休暇や余暇を活用した海外旅行が主流であることがうかがえます。
- 観光・レジャー:81.7%
- 出張:17.8%
- 留学・ワーキングホリデー:11.8%
- 家族・親族訪問:7.5%
- 研修・教育目的:5.6%
- その他:1.2%
一方で、出張や留学・ワーキングホリデー、家族・親族訪問といった回答も一定数見られ、海外渡航は観光に限らず、仕事や学び、家族との関わりなど、ライフステージや目的に応じて幅広く行われている実態が明らかになりました。
これらの結果から、海外渡航は特別なイベントではなく、日常生活の延長線上にある行動として定着しつつある状況がうかがえます。
海外渡航の目的について「その他」と回答した人からは、観光や出張といった一般的な目的以外にも、個人のライフイベントや人とのつながりを背景とした渡航理由が多く寄せられました。
■その他の自由回答
- 「友達に会いに行った」
- 「彼女に会いに行った」
- 「海外で結婚した友人を訪ねた」
- 「妹の結婚式に出席した」
- 「結婚式への参加」
- 「新婚旅行」
- 「ハネムーン」
- 「新婚社員旅行」
- 「社員旅行」
- 「サークル活動」
- 「試合への参加」
- 「学校交流」
- 「修学旅行」
- 「学会への参加」
- 「物資輸送」
- 「推し活のために行った」
海外旅行中に困ったこと、最多は「言葉」と「支払い」「治安」

海外渡航中に困ったことについて質問したところ、「言葉」と回答した人が43.0%と最も多く、半数近くを占める結果となりました。一見すると想定しやすい課題ではあるものの、依然として多くの人が言語面で不安や不便さを感じている実態がうかがえます。
その他の内訳を見ると、「道順(地図)」(26.0%)、「支払い(現金/カード/チップ)」(23.5%)、「治安・トラブル」(22.9%)が続いており、言葉以外にもさまざまな場面で戸惑いが生じていることが分かります。
一方で、「通信(ネットが遅い/つながらない)」(17.9%)と回答した人も一定数存在し、情報収集や連絡手段の確保に課題を感じている人も少なくありません。
- 言葉:43.0%
- 道順(地図):26.0%
- 治安・トラブル:22.9%
- 支払い(現金/カード/チップ):23.5%
- 通信(ネットが遅い/つながらない):17.9%
- その他:1.1%
- 特に困ったことはない:27.5%
今回の結果から、多くの人が海外旅行において「何となく不安は感じている」ものの、実際には言語、支払い、通信など複数の要因が重なり合って困難を感じていることが明らかになりました。
前問で示された渡航目的の多様化とあわせて考えると、海外旅行は身近な存在になりつつある一方で、環境の違いに対する備えや情報収集の重要性は依然として高い状況にあると言えるでしょう。
自由回答では、選択肢では拾いきれない、海外旅行中のリアルな困りごとに関する声も寄せられました。例えば、以下のような意見が見られました。
- 「子どもの体調が悪くなった」
- 「体調管理が大変だった」
- 「友人がケガをしてしまった」
- 「感染症にかかり、帰国できなかった」
- 「トイレ事情に困った」
- 「シャワーの水圧が弱かった」
- 「食事が分かりづらく、注文に困った」
- 「食べ物が口に合わなかった」
- 「においが気になった」
- 「文化の違いに戸惑った」
- 「公共交通機関が分かりにくかった」
- 「飛行機が遅延した」
- 「渋滞で移動に時間がかかった」
- 「入国審査でトラブルがあった」
- 「現地の治安や情勢が不安だった」
- 「停電や通信が不安定で困った」
海外渡航時のネット環境は「レンタルWiFi」が最多

海外渡航時にどのようにインターネット環境を確保したかについて質問したところ、「レンタルWiFi」を利用した人が34.7%と最も多い結果となりました。
内訳を見ると、「キャリアの海外ローミング」(16.0%)や「eSIM」(13.4%)、「ホテル・公共WiFi」(11.2%)、「現地SIM」(10.4%)など、複数の手段が併用・選択されており、通信環境の確保方法は一つに集約されていないことが分かります。
また、「特に確保しなかった」と回答した人も14.1%存在し、渡航スタイルによって対応が分かれている実態もうかがえます。
- レンタルWiFi:34.7%
- キャリアの海外ローミング:16.0%
- 特に確保しなかった:14.1%
- eSIM:13.4%
- ホテル・公共WiFi:11.2%
- 現地SIM:10.4%
- その他:0.2%
上記の結果から、海外渡航時の通信環境は「確実性・分かりやすさ」を重視してレンタルWiFiを選ぶ層が多い一方で、利便性やコスト、手軽さを重視してeSIMやローミングを選択する人も増えていることが明らかになりました。
前問で表面化した、海外旅行中に「通信」に不便を感じた人が一定数存在している状況を踏まえると、渡航前に自分の旅行スタイルに合った通信手段を選ぶ重要性が、今後さらに高まっていくと考えられます。
【まとめ】海外渡航は身近に、課題は「言語・通信・支払い」
今回の調査から、海外渡航は観光・レジャーを中心に多くの人にとって身近な行動として定着している一方で、現地では「言葉」「通信」「支払い」など、日本とは異なる環境に起因する不安や不便さを感じている人が少なくないことが明らかになりました。
特に通信環境については、レンタルWiFiをはじめ、eSIMや海外ローミング、ホテル・公共WiFiなど複数の手段が使い分けられており、渡航者が利便性だけでなく、安心感や確実性を重視して選択している実態がうかがえます。一方で、通信トラブルを経験した人も一定数存在しており、十分な準備が課題となるケースも見受けられました。
これらの結果から、海外渡航がより身近になる中で、「行けるかどうか」だけでなく、「現地で安心して過ごせるか」という視点の重要性が高まっていると言えるでしょう。今後は、通信環境を含めた事前の情報提供やサポート体制が、海外旅行の満足度や安全性を左右する重要な要素となっていくことが示唆される調査結果となりました。
