
近年、観光やビジネス、留学などを目的にアメリカへ渡航する日本人は増加傾向にあります。一方で、文化や物価、通信事情の違いに戸惑う声も少なくありません。
そこで今回、プラスト株式会社との共同調査として、事前アンケートで「過去10年以内にアメリカへ渡航した」と回答した全国の20歳~59歳の男女350名を対象に「アメリカ渡航者に関するアンケート調査」を実施しました。
本調査では、渡航前の不安、現地で困ったこと、通信手段の実態、そして“もっと準備しておけばよかった”と感じたポイントについて明らかにしています。
■ 調査概要
- 調査名:アメリカ渡航者に関するアンケート調査
- 調査手法:インターネットアンケート
- 調査期間:2026年2月1日~2月8日
- 調査対象:事前アンケートで「過去10年以内にアメリカへ渡航した」と回答した全国の20歳~59歳の男女
- 有効回答数:350件
- 質問1:アメリカ渡航前、現地での生活や滞在について不安はありましたか?
- 質問2:アメリカ滞在中に実際に「困った」と感じた経験はありましたか?
- 質問3:アメリカ滞在中に困った・不安を感じた内容を教えてください。(複数回答可)
- 質問4:アメリカ渡航時、スマートフォンの通信手段は何を利用しましたか?(複数選択可)
- 質問5:アメリカ渡航を振り返って、「事前にもっと準備しておけばよかった」と感じたものは何ですか?(複数選択可)
- 質問6:今後アメリカへ再度渡航する場合、通信手段について最も近い考えはどれですか?
※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※複数回答を含む設問では合計が100%を超える場合があります。
アメリカ渡航前、「約7割が不安を感じていた」と回答

まず、アメリカ渡航前に現地での生活や滞在について不安があったかを尋ねたところ、「とても不安だった」と回答した人は35.4%、「少し不安だった」は35.4%となり、合計70.8%の人が何らかの不安を感じていたことが分かりました。
一方で、「不安はなかった」と回答した人は29.1%にとどまり、約3割のみが渡航前に安心感を持って出発していたことになります。多くの渡航者が出発前の段階で、未知の環境に対する緊張や不安を抱えていた実態が明らかになりました。
不安の背景としては、「英語が通じるか」「治安は大丈夫か」「物価はどの程度高いのか」「チップ文化に対応できるか」といった、日本とは異なる生活環境への懸念が想定されます。特にアメリカは州ごとに制度や文化が異なり、広大な国土を持つため、事前情報だけではイメージしきれない部分も多いと考えられます。
今回の結果から、アメリカ渡航は人気の渡航先でありながらも、出発前の心理としては“期待”よりも“慎重さ”が上回っている状況が浮き彫りになりました。事前の情報収集や準備が、渡航者の安心感を左右する重要な要素になっていることが示唆される結果となっています。
- とても不安だった:35.4%
- 少し不安だった:35.4%
- 不安はなかった:29.1%
アメリカ渡航は身近な選択肢になりつつある一方で、「完全に安心して出発できる人」は少数派であり、渡航前の不安解消が満足度向上の鍵になると言えるでしょう。
アメリカ滞在中、「実際に困った」人は52.0%

続いて、アメリカ滞在中に実際に「困った」と感じた経験があったかを尋ねたところ、「あった」と回答した人は52.0%と半数を超える結果となりました。
一方で、「なかった」と回答した人は48.0%となり、困難を感じずに滞在を終えた人も一定数いるものの、全体としては“2人に1人以上が何らかのトラブルや不便を経験している”実態が明らかになりました。
- あった:52.0%
- なかった:48.0%
前問では、渡航前に約7割が不安を感じていたことが分かっていますが、今回の結果からは、その不安の一部が実際の体験として現地で表面化している可能性がうかがえます。言語や文化、物価、治安など、事前に想像していた課題が、滞在中に具体的な「困った出来事」として実感されたケースも少なくないと考えられます。
アメリカは観光・留学・ビジネスなど幅広い目的で渡航される人気の国ですが、環境や制度の違いが大きい分、事前準備の有無が現地での体験を大きく左右する側面もあります。
今回の結果は、「不安を抱えて出発する人が多い」だけでなく、「実際に困難を経験する人も半数を超える」という現実を示しており、渡航前の情報収集や対策の重要性を改めて明らかにする内容となりました。
現地で困ったこと1位は「英語」、生活インフラへの戸惑いも浮き彫りに

アメリカ滞在中に「困った」と感じた具体的な内容について複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「英語が通じない」で53.9%でした。半数以上が言語の壁を実感しており、日常会話レベルであっても、実際の買い物や手続き、トラブル対応の場面では想像以上に難しさを感じるケースが多いことが分かります。
続いて多かったのは、「物価が高く出費がかさんだ」(43.4%)、「チップ文化が分かりづらかった」(42.9%)、「通信環境(WiFi・ネット)が不安定だった」(40.7%)でした。
これらはいずれも“生活インフラ”に直結する項目であり、滞在中の日常行動そのものに影響を与える要素が上位に並ぶ結果となりました。
さらに、「治安やトラブルが不安だった」(35.2%)、「交通・移動手段が分かりにくかった」(22.5%)といった回答も一定数見られ、現地での安全面や移動面に不安を感じる人も少なくないことが見て取れます。
- 英語が通じない:53.9%
- 物価が高く出費がかさんだ:43.4%
- チップ文化が分かりづらかった:42.9%
- 通信環境(WiFi・ネット)が不安定だった:40.7%
- 治安やトラブルが不安だった:35.2%
- 交通・移動手段が分かりにくかった:22.5%
- その他:3.3%
また、その他の回答では、
- 「病院の対応に困った」
- 「Uberが来なかった」
- 「SSN取得など居住手続きが大変だった」
- 「歯が欠けた」
- 「トイレを借りるのが大変だった」
といった声も寄せられました。観光だけでなく、長期滞在や居住に関わる手続き、突発的なトラブルなど、想定外の出来事が多岐にわたることも分かります。これらの結果から、アメリカ渡航における困りごとは一つの要因に限られるものではなく、「言語 × 文化 × 物価 × 通信 × 手続き」といった複数の要素が重なり合って発生していることが明らかになりました。事前準備の重要性が改めて示された結果と言えるでしょう。
通信手段は「レンタルWiFi」が最多、約2割は“事前準備なし”

次に、アメリカ渡航時に利用したスマートフォンの通信手段について尋ねたところ、最も多かったのは「レンタルWiFi」で46.3%という結果になりました。およそ半数近くが日本出発前にレンタルWiFiを手配しており、現地到着後すぐに安定した通信環境を確保できる手段として、一定の支持を集めていることが分かります。
続いて、「現地SIMカード」(28.6%)、「eSIM」(21.4%)が上位となり、現地でのコストや利便性を重視して通信手段を選ぶ層も一定数存在していることが明らかになりました。近年はeSIM対応端末の普及も進み、物理SIM不要で事前設定できる点が評価されていると考えられます。
一方で、「ホテル・公共WiFiのみ」(16.6%)という回答も見られ、必要最低限の通信環境で済ませている層も一定数いることが分かりました。さらに、「特に準備しなかった」と回答した人は20.9%と約2割にのぼっており、渡航前に通信環境を確保しないまま現地入りしているケースも少なくないことがうかがえます。
- レンタルWiFi:46.3%
- 現地SIMカード:28.6%
- eSIM:21.4%
- ホテル・公共WiFiのみ:16.6%
- 特に準備しなかった:20.9%
- その他:1.4%
その他の回答では、「ローミング」「キャリアの海外プラン」などの、日本の通信キャリアが提供する海外定額サービスを利用したという声も見られました。短期滞在やビジネス利用では、普段使っているキャリア回線をそのまま利用できる安心感を重視する傾向もあると考えられます。
今回の結果から、レンタルWiFiが依然として最も多く選ばれている通信手段であり、“安定性と手軽さを重視する層”から高い支持を集めていることが明らかになりました。eSIMやキャリアローミングなど選択肢が広がる中でも、事前に日本で準備できる安心感が、レンタルWiFiの強みとして評価されていると考えられます。
一方で、約2割が通信手段を特に準備しなかったという結果も出ており、渡航先で通信トラブルに直面するリスクを十分に想定できていない層が一定数存在していることも示唆されました。現地での地図検索、配車アプリ、決済、緊急連絡など、通信はもはや“あれば便利”ではなく“渡航のインフラ”とも言える存在です。
だからこそ、出発前に日本で確実に通信環境を整えておくことが、安心・快適な滞在を左右する重要なポイントであり、レンタルWiFiのような「事前準備型」のサービスが、今後ますます注目される可能性があると言えるでしょう。
「もっと準備すればよかった」1位は決済方法、通信と僅差

アメリカ渡航を振り返り、「事前にもっと準備しておけばよかった」と感じたものについて尋ねたところ、最も多かったのは「決済方法(クレカ・チップ文化)」で40.9%となりました。次いで「通信環境(WiFi・SIM・eSIM)」が39.7%とほぼ同率で続き、わずかな差で決済関連が上回る結果となっています。
アメリカはキャッシュレス社会として知られていますが、レストランやホテル、タクシーなどで発生するチップ文化は日本人にとってなじみが薄く、「いくら支払えばよいのか分からない」「会計時に戸惑った」といった不安や混乱が生じやすい点が背景にあると考えられます。単にクレジットカードを持参すれば解決する問題ではなく、現地特有の支払いルールへの理解不足が、後悔につながっている様子がうかがえます。
また、「英語フレーズ・翻訳手段」(33.7%)、「現地の移動方法」(29.7%)、「治安・安全対策」(27.4%)といった項目も3割前後にのぼり、言語面や交通事情、安全情報など、滞在中の生活全般に関わる準備不足を感じた人も少なくないことが明らかになりました。
- 決済方法(クレカ・チップ文化):40.9%
- 通信環境(WiFi・SIM・eSIM):39.7%
- 英語フレーズ・翻訳手段:33.7%
- 現地の移動方法:29.7%
- 治安・安全対策:27.4%
- その他:2.6%
今回の結果からは、単に観光情報を調べるだけでなく、「お金」「通信」「言語」といった生活基盤に直結する準備こそが、渡航満足度を大きく左右している実態が浮かび上がりました。
特に決済と通信が上位を占めたことは、現地で“つながること”と“支払えること”が、安心して滞在するための重要な要素であることを示していると言えるでしょう。
再渡航時は「日本で事前準備」が5割超に

今後、再びアメリカへ渡航する場合の通信手段について尋ねたところ、「日本で事前に準備してから渡航する」と回答した人が50.3%と、過半数を占める結果となりました。一度渡航を経験したうえで、「現地に着いてから考える」のではなく、「出発前に通信環境を整えておきたい」と考える人が多数派であることが分かります。
一方で、「現地で購入・契約する」(13.4%)、「できるだけ安い方法を選ぶ」(12.6%)、「毎回状況を見て判断したい」(15.1%)といった回答も見られ、コストや柔軟性を重視する層も一定数存在しています。
また、「使えれば問題ない」と回答した人は8.0%にとどまり、通信手段について“特にこだわらない”という姿勢は少数派であることも明らかになりました。
- 日本で事前に準備してから渡航する:50.3%
- 毎回状況を見て判断したい:15.1%
- 現地で購入・契約する:13.4%
- できるだけ安い方法を選ぶ:12.6%
- 使えれば問題ない:8.0%
- その他:0.6%
今回の結果からは、前回の渡航で通信トラブルや不便さを経験した人ほど、「次は失敗したくない」「確実につながる状態で出発したい」と考える傾向がうかがえます。
アメリカ渡航においては、「現地でどうするか」よりも「出発前にどこまで整えておくか」が重要視されつつあり、通信は“現地で考えるもの”から“日本で準備しておくもの”へと意識が変化していることがうかがえる結果となりました。
【まとめ】アメリカ渡航の鍵は「通信」と「決済」
今回の調査から、アメリカ渡航経験者の約7割が出発前に何らかの不安を抱えており、さらに半数以上が実際に現地で「困った」と感じる出来事を経験していることが明らかになりました。
渡航前に漠然と感じていた不安が、現地では具体的なトラブルやストレスとして表面化している実態が浮き彫りとなっています。
とりわけ、「英語が通じない」「物価が高い」「チップ文化が分かりづらい」「通信環境が不安定」といった、生活に直結する要素が上位を占めました。これらはいずれも観光やビジネス、留学といった目的を問わず、滞在中の日常行動そのものに影響を与える項目です。単なる語学力の問題にとどまらず、“現地のルールやインフラをどこまで理解し、準備できているか”が安心感を左右していることが分かります。
また、再渡航時の通信手段については、過半数が「日本で事前に準備してから渡航する」と回答しており、事前対策への意識が強まっていることも明らかになりました。
特に通信環境や決済方法は、地図検索、配車アプリ、翻訳、キャッシュレス決済など、滞在中のあらゆる行動の基盤となる要素です。ここが不安定であれば、小さなトラブルも大きなストレスにつながりかねません。
アメリカ渡航は以前に比べて身近なものになりましたが、その一方で、物価上昇や文化的な違い、デジタル依存度の高まりなど、環境は大きく変化しています。今回の結果は、「なんとかなる」ではなく、「どこまで準備していくか」が滞在満足度を左右する時代に入っていることを示唆しています。
安心・快適なアメリカ滞在を実現するための鍵は、「通信」と「決済」。情報と事前準備の質が、渡航体験そのものの質を大きく左右する、そのことを改めて示す調査結果となりました。
