
近年、親しみやすい国民性や豊かな屋台グルメ、日本と比べて手頃な物価から、日本人の海外旅行先として根強い人気を誇るタイ。日本から直行便で約6~7時間というアクセスの良さもあり、初めての海外旅行からリピーターまで、幅広い層に選ばれています。
一方で、実際に渡航してみると「想定していなかった戸惑い」や「事前に知っておきたかったこと」があるのも事実です。
そこで今回、プラスト株式会社との共同調査として、過去10年以内にタイへ渡航した経験のある全国の20歳~59歳の男女250名を対象に、「タイ渡航者に関するアンケート調査」を実施しました。
本調査では、渡航前の不安感から現地での困りごと、通信手段、さらには食や物価、人や文化に対する印象まで、実際の体験に基づくリアルな声を明らかにしています。
■ 調査概要
- 調査名:タイ渡航者に関するアンケート調査
- 調査手法:インターネットアンケート
- 調査期間:2026年7月6日~7月13日
- 調査対象:事前アンケートで「10年以内にタイに渡航した」と回答した全国の20歳~59歳の男女
- 有効回答数:250件
- 質問1:タイ渡航前、現地での滞在にどの程度不安を感じていましたか?
- 質問2:タイ滞在中に、想定していなかった困りごとや戸惑いはありましたか?
- 質問3:タイ滞在中に困った・戸惑った内容を教えてください。
- 質問4:タイ渡航時、どのような通信手段を利用しましたか?
- 質問5:タイ渡航を振り返り、「事前に準備しておけばよかった」と感じたものは何ですか?
- 質問6:タイの「食」「物価」「人や文化(微笑みの国・仏教など)」について、印象に残っていることがあれば教えてください。
※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※複数回答を含む設問では合計が100%を超える場合があります。
渡航前の不安は「なし」が約6割、一方で4割超が不安を実感

まず、タイ渡航前に現地での滞在にどの程度不安を感じていたかを尋ねたところ、「とても不安だった」は16.0%、「少し不安だった」は27.6%となり、合わせて約43.6%が何らかの不安を感じていたことが分かりました。
- とても不安だった:16.0%
- 少し不安だった:27.6%
- 不安はなかった:56.4%
「不安はなかった」は56.4%と過半数を占めたものの、4割を超える人が渡航前に不安を抱えていた点は見逃せません。親日的で治安も比較的良いとされるタイですが、言葉の違いや衛生面、暑さといった“事前に気になる要素”が、一定の不安につながっている可能性がうかがえます。
約4人に1人が「想定外の戸惑い」を経験

次に、タイ滞在中に想定していなかった困りごとや戸惑いがあったかを尋ねたところ、「あった」と回答した人は26.8%となり、約4人に1人が予期せぬトラブルや戸惑いを経験していることが明らかになりました。
- あった:26.8%
- なかった:73.2%
「なかった」は73.2%と多数を占めるものの、一定数の人が“事前情報だけではカバーしきれない現地のリアル”に直面していることが分かります。
最多の壁は「言葉」、衛生・暑さ・通信も上位に

前問で実際に想定していなかった困りごとや戸惑いがあったと回答した67名を対象に、具体的な内容を尋ねたところ、最も多かったのは、「英語・タイ語が通じない」で55.2%と半数を超えました。続いて「衛生面(食事・水)が気になった」47.8%、「暑さ・体調管理が大変だった」43.3%、「通信環境(WiFi・ネット)が不安定だった」41.8%が上位に並びました。
さらに「治安やトラブルが不安だった」37.3%、「交通・移動手段が分かりにくかった」25.4%と続いています。
- 英語・タイ語が通じない:55.2%
- 通信環境(WiFi・ネット)が不安定だった:41.8%
- 衛生面(食事・水)が気になった:47.8%
- 暑さ・体調管理が大変だった:43.3%
- 治安やトラブルが不安だった:37.3%
- 交通・移動手段が分かりにくかった:25.4%
- その他:9.0%
英語が通じにくい場面やタイ語の壁が最大の戸惑いとなっており、翻訳や案内の手段が重要になることがうかがえます。
通信手段は「レンタルWiFi」が最多、未準備も約1.5割

タイ渡航時の通信手段については、「レンタルWiFi」が34.0%で最多となりました。続いて「現地SIMカード」26.8%、「ホテル・公共WiFiのみ」24.8%、「eSIM」20.0%、「特に準備しなかった」14.8%となっています。
- レンタルWiFi:34.0%
- 現地SIMカード:26.8%
- eSIM:20.0%
- ホテル・公共WiFiのみ:24.8%
- 特に準備しなかった:14.8%
レンタルWiFiが最も多くの渡航者に選ばれている一方、「ホテル・公共WiFiのみ」「特に準備しなかった」を合わせると約4割にのぼります。前述の通り通信環境の不安定さが戸惑いの上位に挙がっていることを踏まえると、通信手段の準備の有無が、現地での快適さに直結している可能性が示唆されます。
事前準備の最多は「通信環境」、「言葉」「現金」も拮抗

タイ渡航を振り返り、「事前に準備しておけばよかった」と感じたものとして最も多かったのは、「通信環境(WiFi・SIM・eSIM)」で36.4%でした。次いで「タイ語(英語)フレーズ・翻訳アプリ」32.0%、「現金・両替(屋台や市場での支払い)」30.4%、「衛生対策(常備薬・飲み水の知識など)」23.6%、「配車アプリ(Grabなど)」22.0%と続いています。
- 通信環境(WiFi・SIM・eSIM):36.4%
- 現金・両替(屋台や市場での支払い):30.4%
- 衛生対策(常備薬・飲み水の知識など):23.6%
- 配車アプリ(Grabなど):22.0%
- タイ語(英語)フレーズ・翻訳アプリ:32.0%
- その他:9.2%
「通信環境」が事前準備の最多に挙がった点は、地図や翻訳、配車アプリ、電子決済など、旅先でのスマートフォン利用を支える基盤として通信が意識されていることの表れといえます。言葉や現金の準備と並び、通信環境が旅の快適さを左右するポイントとして重視されていることが分かります。
印象は「安くて美味しい屋台」と「微笑みの国」、物価上昇の声も
最後に、タイの「食」「物価」「人や文化(微笑みの国・仏教など)」について印象に残っていることを自由回答で尋ねたところ、回答内容は大きくいくつかの傾向に分類できました。
以下は、実際の回答内容に基づく分析です。
「安くて美味しい」屋台グルメへの満足度
最も多く見られたのは、屋台をはじめとする「食」の安さとおいしさに関する声です。
- 「料理がお店も屋台もとても美味しいし、量もあって信じられないくらい安くてびっくりした」
- 「屋台の料理が安くて美味しかった」
- 「トムヤムクンなど食べ物が安くて美味しい」
- 「果物が安くて種類が多い」
屋台料理の手頃さとおいしさ、果物の豊富さを挙げる声が非常に多く、タイの“食”が渡航者にとって大きな満足につながっていることがうかがえます。
「微笑みの国」を実感する人の温かさ
次に目立ったのが、現地の人々のやさしさ・温かさに関する声です。
- 「街中で出会う人がとても穏やかで、ちょっとした会話でも笑顔を返してくれる温かさがあった」
- 「皆さんとてもフレンドリーで温かく、色々と案内をしてくれたことが印象的でした」
- 「非常にフレンドリーで接しやすいホスピタリティで快適だった」
- 「日本人に対して、とても親切でありがたかった」
「微笑みの国」と称されるタイならではの、穏やかで親切な国民性を評価する声が数多く寄せられました。人の温かさがタイ旅行の満足度を支えていることが分かります。
生活に根づく仏教文化・お寺への印象
仏教やお寺など、タイの文化・宗教にまつわる声も多く見られました。
- 「お寺の参拝が生活の中に浸透していること」
- 「場所にもよるが、やはり仏教の国なので寺院が印象的だった」
- 「敬虔な仏教徒が多い」
- 「人が温かかった。ご飯がおいしかった。お寺の規模が大きかった」
参拝が日常に溶け込む様子や寺院の荘厳さを挙げる声が目立ち、仏教文化がタイらしさを象徴する要素として印象に残っているようです。
円安・物価上昇で変わる「お得感」
その一方で、近年の物価上昇や円安の影響を指摘する、現実的な声も一定数見られました。
- 「円安のせいで現地での物価が倍になってお得感がなくなった」
- 「物価は円安もあり昔から比べるとかなり高くなった印象」
- 「物価が高騰し行きづらくなった」
「安いタイ」というイメージが先行していた分、円安や物価上昇で以前ほどのお得感が薄れたと感じる声も見られ、リピーターほど変化を実感しやすい傾向がうかがえます。
「衛生・水」への注意を実感する声
また、食を楽しむ一方で、衛生面や水に注意が必要だと実感したという声もありました。
- 「豪快に下したので、サラダなどの生ものは絶対に口にしないほうが良いことを実感した」
- 「食事はどこも美味しかったが、衛生面と水には注意した方がよい」
おいしい食事を満喫できる一方で、生ものや水にあたってお腹を壊したという体験も見られ、衛生面への備えの大切さがうかがえます。
今回の自由回答からは、屋台グルメの安さやおいしさ、人々の温かさ、仏教文化の荘厳さといったタイならではの魅力が数多く語られる一方、円安や物価上昇による“お得感”の変化、衛生面への注意といった現実的な気づきも得られていることが明らかになりました。
【まとめ】約4人に1人が戸惑うタイ旅行、明暗を分けるのは出発前の「ひと手間」
今回の調査から、タイは「食事が安くておいしい」「人が温かい」といった魅力で多くの渡航者を惹きつける一方、約4人に1人が現地で想定外の戸惑いを経験していることが分かりました。
戸惑いの内容としては「英語・タイ語が通じない」が最多で、衛生面や暑さ、通信環境の不安定さも上位に挙がりました。さらに「事前に準備しておけばよかったもの」では通信環境が最も多く、言葉や現金の準備と並んで、旅の快適さを左右するポイントとして意識されています。
気軽に楽しめる旅行先として人気のタイですが、言葉や通信、衛生といった“現地のリアル”に備えておくことで、その魅力をより存分に味わえるといえるでしょう。特にスマートフォンは、地図検索や翻訳、配車アプリ、電子決済など旅の行動を支える役割が大きく、安定した通信環境を出発前に整えておくことが、戸惑いを減らす近道になりそうです。

