
シドニーやメルボルンの街歩き、ゴールドコーストのビーチ、ケアンズから向かう世界遺産の海。英語が通じ、治安も比較的よいとされるオーストラリアは、初めての海外旅行先や留学先としても選ばれやすい国です。一方で国土は日本の約20倍と広く、都市を離れると電波の届きにくい自然が広がる国でもあります。
そこで今回、プラスト株式会社との共同調査として、過去10年以内にオーストラリアへ渡航した経験のある全国の20歳~59歳の男女194名を対象に、「オーストラリア渡航者に関するアンケート調査」を実施しました。
本調査では、渡航前の不安から現地での困りごと、通信手段、準備しておけばよかったもの、そしてスマホやインターネットの使い方まで、体験者のリアルな声を明らかにしています。
■ 調査概要
- 調査名:オーストラリア渡航者に関するアンケート調査
- 調査手法:インターネットアンケート
- 調査期間:2026年10月13日~10月20日
- 調査対象:事前アンケートで「10年以内にオーストラリアに渡航した」と回答した全国の20歳~59歳の男女
- 有効回答数:194件
- 質問1:オーストラリア渡航前、現地での滞在にどの程度不安を感じていましたか?
- 質問2:オーストラリア滞在中に、想定していなかった困りごとや戸惑いはありましたか?
- 質問3:オーストラリア滞在中に困った・戸惑った内容を教えてください。
- 質問4:オーストラリア渡航時、どのような通信手段を利用しましたか?
- 質問5:オーストラリア渡航を振り返り、「事前に準備しておけばよかった」と感じたものは何ですか?
- 質問6:オーストラリア滞在中、スマホやインターネットをどのような場面で使いましたか。また、つながりにくかった場面や、事前に準備してよかった工夫があれば教えてください。
※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※複数回答を含む設問では合計が100%を超える場合があります。
渡航前に「不安はなかった」が50.5%、半数が気負わず出発

まず、オーストラリア渡航前に現地での滞在にどの程度不安を感じていたかを尋ねたところ、「不安はなかった」が50.5%で最多でした。「少し不安だった」は30.9%、「とても不安だった」は18.6%で、不安を感じていた人は合わせて49.5%と、ちょうど半数で分かれる結果です。
- とても不安だった:18.6%
- 少し不安だった:30.9%
- 不安はなかった:50.5%
男女別では、不安を感じた人は男性51.5%、女性47.3%で大きな差はなく、英語圏で治安もよいという印象が出発前の気持ちを軽くしているようです。
「想定外の戸惑い」は35.6%、3人に1人が経験

次に、オーストラリア滞在中に想定していなかった困りごとや戸惑いがあったかを尋ねたところ、「あった」は35.6%、「なかった」は64.4%でした。
- あった:35.6%
- なかった:64.4%
男女別では男性35.9%、女性35.2%とほぼ同じです。半数が不安なく出発した国でも約3人に1人は想定外の場面に直面しており、「安心な国」という印象と実際の体験には開きがあるといえそうです。
困りごとの1位は「通信環境」50.7%、言葉と移動が続く

前問で想定していなかった困りごとや戸惑いが「あった」と回答した69名を対象に、具体的な内容を尋ねたところ、最も多かったのは「通信環境(WiFi・ネット)が不安定だった」で50.7%。続いて「英語が通じない」43.5%、「交通・移動手段が分かりにくかった」37.7%、「日差しの強さや季節の違いなどの気候面」34.8%と続きます。
- 英語が通じない:43.5%
- 通信環境(WiFi・ネット)が不安定だった:50.7%
- カード払い中心の支払い方法:30.4%
- 日差しの強さや季節の違いなどの気候面:34.8%
- 入国手続き(ETA申請・検疫):30.4%
- 交通・移動手段が分かりにくかった:37.7%
- その他:8.7%
英語圏でありながら、言葉より通信が上に来た点がこの設問の特徴です。男女別では、通信環境は男性59.5%、女性40.6%と男性に多く、英語は女性53.1%、男性35.1%と女性に多い傾向でした。「カード払い中心の支払い方法」「入国手続き(ETA申請・検疫)」も3割に上っています。
通信手段は「レンタルWiFi」が最多の41.2%、“備えなし”も4割超

オーストラリア渡航時の通信手段については、「レンタルWiFi」が41.2%で最多。続いて「現地SIMカード」26.3%、「ホテル・公共WiFiのみ」25.8%、「eSIM」23.7%と続きます。
- レンタルWiFi:41.2%
- 現地SIMカード:26.3%
- eSIM:23.7%
- ホテル・公共WiFiのみ:25.8%
- 特に準備しなかった:16.0%
「ホテル・公共WiFiのみ」25.8%と「特に準備しなかった」16.0%を合わせると、自分専用の通信手段を用意しなかった層が4割超に上ります。困りごとの1位が通信環境だったことを踏まえると、この備えの有無が現地での快適さを分けている可能性があります。
オーストラリアで使える機種や料金、受け取り方法は、〈オーストラリア旅行・出張のWiFiレンタル〉のページで確認できます。
準備の後悔は「英語」38.7%、「移動」36.1%、「通信」34.5%が僅差

オーストラリア渡航を振り返り「事前に準備しておけばよかった」と感じたものを尋ねたところ、「英語フレーズ・翻訳アプリ」が38.7%で最多。「現地の移動方法(都市間の移動・レンタカーなど)」36.1%、「通信環境(WiFi・SIM・eSIM)」34.5%が僅差で続きました。
- 通信環境(WiFi・SIM・eSIM):34.5%
- 決済方法(クレジットカード・タッチ決済):26.3%
- 入国手続き(ETA申請など):25.8%
- 現地の移動方法(都市間の移動・レンタカーなど):36.1%
- 英語フレーズ・翻訳アプリ:38.7%
- その他:10.3%
上位3項目が約4ポイント差に収まり、言葉・移動・通信の三つが並んで課題になっています。「決済方法(クレジットカード・タッチ決済)」は男性32.0%、女性19.8%と男性に多い傾向でした。
体験者が語るオーストラリア、スマホは「移動」で使い、「郊外」でつながらない
最後に、オーストラリア滞在中にスマホやインターネットをどのような場面で使ったか、つながりにくかった場面や事前の工夫を自由回答で尋ねたところ、回答内容はいくつかの傾向に分類できました。
以下は、実際の回答内容に基づく分析です。
地図と乗り換え、スマホの出番はまず「移動」
最も多かったのは、地図アプリや乗り換え案内、ナビとしての利用です。街歩きから都市間の移動まで、移動の場面でスマホを頼りにした声が、具体的な回答の3分の1を占めました。
- 「マップ、路線図、乗り換え案内、配車アプリ」
- 「レンタカーを使用しなかったので、公共交通機関の乗り換え案内のアプリをインストールした」
準備の後悔で2位だった「現地の移動方法」と重なる結果で、地図や乗り換えの情報をその場で得られるかどうかが、行動のしやすさを左右していることがうかがえます。
郊外・列車で途切れる、備えた人は「オフライン地図」
つながりにくかった場面として目立ったのが、郊外や山間部、地下鉄、都市間を走る列車の中です。一方で、地図データを端末に保存しておく工夫で乗り切った声もありました。
- 「シドニーからメルボルンへ移動していた際、列車の中では通信エラーが何度もでました」
- 「訪問予定の都市やドライブエリアの地図データを行く前に端末へ保存しておきました。電波が一切届かない郊外や山間部でも、GPSによるナビゲーションがそのまま利用できたため非常に重宝しました」
困りごとの1位が「通信環境が不安定だった」50.7%だった背景がここに表れています。都市を離れると電波が届きにくいという事情に対して、通信手段とオフライン地図を組み合わせた人の声が、つながらなかった人の声と対になっています。
通信手段を用意した人の安心
レンタルWiFiや現地SIMなど、自分の通信手段を用意していった人からは「困らなかった」という声が並びました。
- 「Wi-Fiを事前に予約しておいてよかった。電車の乗り換えやお店を調べたりするのに使用しました。繋がりにくかった場面はないです」
- 「現地simを契約しておいて良かったと思った」
「ホテルでWi-Fiが有料だったのが痛かった」という声もあり、現地で何とかする前提の弱さもうかがえます。
地図を中心に使い、都市を離れるとつながらず、備えた人は困らなかった。この三つの声が、オーストラリアでのスマホ利用の実態を端的に表しています。
【まとめ】安心な国だからこそ、通信の備えが差になる
今回の調査では、オーストラリア渡航前に「不安はなかった」人が50.5%と半数に上る一方、滞在中に想定外の戸惑いを経験した人は35.6%と約3人に1人でした。困りごとの1位は「通信環境が不安定だった」50.7%で、英語圏でありながら言葉より通信が上に来ています。
通信手段は「レンタルWiFi」が41.2%で最多でしたが、専用の通信手段を用意しなかった層も4割超。準備の後悔は「英語」「移動」「通信」が僅差で並び、自由回答では郊外や列車でつながらなかった声と、備えて困らなかった声が対になって寄せられました。
出発前の不安が小さい国ほど、備えは後回しになりがちです。けれども、都市の外に広がる自然こそがオーストラリアの魅力であり、そこで頼りになるのは電波と地図です。移動と言葉の準備に通信手段をひとつ加えておく、その小さな違いが滞在の過ごしやすさを左右するのではないでしょうか。

